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特集 神経因性膀胱の話題
各疾患における神経因性膀胱
脊髄小脳変性症
Micturition disturbance in spinocerebellar degeneration.
山本 達也
1
,
榊原 隆次
2
,
桑原 聡
1
Tatsuya Yamamoto
1
,
Ryuji Sakakibara
2
,
Satoshi Kuwabara
1
1千葉大学大学院医学研究院神経内科学
2東邦大学医療センター佐倉病院内科学神経内科
1Department of Neurology, Chiba University Graduate School of Medicine
2Neurology Division, Department of Internal Medicine, Sakura Medical Center, Toho University
キーワード:
多系統萎縮症
,
排尿障害
,
ADL(activities of daily living)
Keyword:
多系統萎縮症
,
排尿障害
,
ADL(activities of daily living)
pp.1017-1021
発行日 2009年11月10日
Published Date 2009/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101631
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はじめに
脊髄小脳変性症は孤発性と遺伝性に大別され,孤発性が約7割,遺伝性が約3割を占めるとされている1).さらに病変の広がりにより,小脳だけが障害されるものと,小脳以外の系統の障害を伴うものに大別される.
脊髄小脳変性症のなかで神経因性膀胱を呈するものは,小脳以外の系統の障害を伴う病型に認められる.孤発性では多系統萎縮症,遺伝性ではMachado-Joseph病/Spinocerebellar ataxia type 3が頻度の高い代表的な疾患である.特に多系統萎縮症は高度の蓄尿症状,排出症状を呈し,多くの場合,自己導尿が必要になり,末期ではバルーン留置となることから排尿管理が困難となる2).また,疾患の進行に伴い四肢の運動失調やパーキンソン症状によってADL(activities of daily living)が低下して介護が必要不可欠となることから,介護者も排尿症状について理解しておく必要がある2).
本稿では,多系統萎縮症を中心に,排尿症状,尿流動態検査での検査所見,病態生理,さらに各病期における治療・対処法の選択について解説する.
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