学会報告
第27回中国四国リハビリテーション医学研究会―2008年12月14日(日),於:岡山大学医学部
尾﨑 敏文
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科整形外科
pp.975-980
発行日 2009年10月10日
Published Date 2009/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101623
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.転倒と虚弱高齢者のADL・認知機能について―特別養護老人ホーム入所者における検討
特別養護老人ホーム憩いの丘
三上 晃生・田村 嘉章
岡山済生会総合病院リハビリテーション科
藤井 俊宏
〔目的〕虚弱高齢者,重度認知症高齢者において繰り返される転倒が,ADL・認知機能の低下に与える影響を調査した.〔対象〕入所者37名(平均年齢86.9歳),2007年4月~2008年4月の期間に,転倒・転落を1回以上経験した者とした.〔方法〕Barthel Index(BI),HDS-R,要介護度を2007年と2008年の時点で比較した(t-test).また,1年間に低下した点数と,転倒した回数との相関を調べた(Spearman).次に対象者を1回転倒群(n=16),複数回転倒群(年間2回以上転倒,n=21)に分け,2007年と2008年で比較した.〔結果〕対象者全員(n=37)のBI,HDS-R,要介護度はすべて悪化していたが(p<0.05),転倒した回数との間に有意な相関はなかった.1回転倒群は各項目ともに維持されていたが(ns),複数回転倒群は著明に悪化(p<0.01)していた.〔考察〕1回転倒群に比べ複数回転倒群はBIが高く,HDS-Rが低い傾向がみられた.複数回転倒群に対する骨折予防が重要であると考えられた.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.