MAB（muscle afferent block）

MAB（muscle afferent block）.

はじめに

　痙縮に対する治療には，抗痙縮剤による薬物療法，リハビリテーション，装具療法，神経ブロック，バクロフェン髄腔内投与，選択的末梢神経縮小術，および選択的筋切離術などの外科的処置がある．そのなかで最初に行う治療は，薬物治療およびリハビリテーションである．しかし，これらの治療により効果を認めないときは神経ブロックの選択を提案したい．

　神経ブロックには，フェノールを用いたブロック，ボツリヌス毒素注射，MAB（muscle afferent block）がある．いずれも，痙縮の原因となっている筋を同定し，選択的にブロックを行い痙縮のコントロールを図るものである．最近，ボツリヌス毒素注射による脳卒中片麻痺の痙縮に対する有効性について，多くのエビデンスレベルの高い文献が報告されるようになった^1-3）が，本稿では，MABについて説明する．