Japanese
English
特集 リハビリテーションとロボット
介護ロボット
Care robot.
菅野 重樹
1
Shigeki Sugano
1
1早稲田大学創造理工学部総合機械工学科
1Department of Modern Mechanical Engineering, School of Creative Science and Engineering, Waseda University
キーワード:
人間共存ロボット
,
安全性
,
巧緻性
Keyword:
人間共存ロボット
,
安全性
,
巧緻性
pp.821-825
発行日 2009年9月10日
Published Date 2009/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101590
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福祉用ロボットと介護支援
近年,生活支援,リハビリテーション支援を目指した福祉用ロボットの研究開発が盛んになっている.しかし,それらのほとんどは専用機器であり,ロボットに本来求められる多能性は有していない.この背景には機能とコストの問題がある.究極は人間の代替となれるヒューマノイドロボットが望ましいが,人間と同等の機能を実現することは技術的に困難であり,莫大なコストもかかる.特に,安全性や巧緻性など,人間共存に必要となる機能を同時に実現するためには多くの技術課題がある.いくつかの企業が人間共存を目指したヒューマノイドロボット開発を進めているが,残念ながらエンタテイメントの域をでていないのも,上記の理由がある.
しかし,真に汎用な人間共存ロボット,すなわち,人間と接触・衝突しても安全な機能,日常のさまざまな物を操れる巧みさ,重量物を運搬でき,人間も支えることができるハイパワーな出力,人間個々人の動きに適応できる作業知能などをすべて備えたロボットが実現できれば,それは有用である.さらに,福祉だけでなく製造現場などの幅広い場面へ適用されれば,大量生産によるコストダウンも可能になるであろう.人間と共存できるならば,製造,医療など人間が行うほとんどの作業を支援することが可能になるはずである.
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