Japanese
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講座 リハビリテーションにおけるパソコン活用法
3.書字評価・訓練におけるパソコン利用
Evaluation and Training of Handwriting (tracing) Dexterity using Personal Computer.
岡島 康友
1
,
林 陽子
1
,
千野 直一
2
Yasutomo Okajima
1
,
Yohko Hayashi
1
,
Naoichi Chino
2
1慶応義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
2慶応義塾大学医学部リハビリテーション科
1Keio University Tsukigase Rehabilitation Center
2Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
書字
,
巧緻性
,
コンピュータ解析
Keyword:
書字
,
巧緻性
,
コンピュータ解析
pp.241-245
発行日 1994年3月10日
Published Date 1994/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107573
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はじめに
パーソナルコンピュータ(パソコン)での処理を考える場合,通常の入力はキーボードやマウスであり,処理結果の出力はスクリーンやプリンターとなる.リハビリテーションの分野,なかでも動作分析においては膨大なデータを扱うため.入力はキーボードを介することなしに,関節角度を測るゴニオメーター,四肢各点の3次元座標を示すLED,多点からの力を計測する床反力計などから刻々と得られる情報はディジタル信号に変換されて直接パソコンへ送られる.コンピュータ内では処理能力に時間的余裕があれば入力と同時にオンラインでデータ処理を行うようプログラムされるが,多くの場合,処理能力に余裕はなく,ディスク等に記録したデータを後でオフライン処理することになる.
今回,われわれが取り上げたのは書字巧緻性評価および訓練のためのディジタイザー入力である.ディジタイザーとはボード上に専用のペンを用いて描画すると描いた線が点座標の集合としてコンピュータへ送られる機器である.リハビリテーションにおいて書字評価・訓練は利き手の軽症片麻痺例,重度利き手麻痺に際しての利き手交換,運動失調症,書痙などに際して行われる.通常は文章写しや日記などが用いられることが多いが,拙劣な例には文字トレースを大きな字体から始め,十分な筆圧が得られるようになると文字を小さくするといった方法もとられる.評価としては書字時間が測られることは多いが,筆圧や字のうまさに関しては験者の主観的評価に頼らざるを得ないのが現状であり,その意味でもディジタイザーを客観的評価として用いることの意義が存在する.
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