Japanese
English
短報
足関節背屈における長母趾屈筋と距骨の関係に関する考察
A consideration on the relationship between the talusbone and the flexer hallucis longus muscle during dorsal flexion of the ankle joint.
児玉 亮
1,2
,
平野 裕滋
1
,
石田 典子
1
,
中村 菜摘
1
,
堀内 智美
1
,
中野 隆
2
Ryo Kodama
1,2
,
Yuji Hirano
1
,
Noriko Ishida
1
,
Natsumi Nakamura
1
,
Tomomi Horiuchi
1
,
Takashi Nakano
2
1市立四日市病院リハビリテーション科
2愛知医科大学医学部解剖学講座
1Department of Rehabilitation, Yokkaichi Municipal Hospital
2Department of Anatomy, Faculty of Medicine, Aichi Medical University
キーワード:
長母趾屈筋
,
足関節前面痛
,
距骨
Keyword:
長母趾屈筋
,
足関節前面痛
,
距骨
pp.461-465
発行日 2009年5月10日
Published Date 2009/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101511
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要旨:〔目的〕足関節外傷後の患者における歩行時の足関節前面の痛みや圧迫感の訴えは比較的多い.その原因の一つであると考えられる長母趾屈筋に焦点をあて,同筋の緊張の変化が足関節背屈時の距骨の動きに差を出現させるのかについて,解剖実習用遺体(以下;解剖体)を用いて比較,検討した.〔方法〕同一の解剖体における母趾MP関節0°,母趾MP関節60°背屈の2条件を設定し,足関節背屈0°から背屈25°までを5°刻みに,各段階時の距骨の動きを矢状面から撮像した.〔結果〕母趾MP関節0°に比較し,母趾MP関節60°背屈では,足関節背屈を増加させると距骨が足関節同一背屈角度にて近位方向への回旋を増強し,前方へと大きく動く結果が得られた.〔結語〕長母趾屈筋の緊張の増加から出現する距骨の動きの差は,生体においても出現することが推測される.足関節前面の痛みを訴える患者に対して長母趾屈筋の治療を行うことは,痛みの改善につながると考える.
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