Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「潜水服は蝶の夢を見る」―「閉じこめ症候群」患者が心を飛翔させるとき
二通 諭
1
1石狩市立花川南中学校
pp.275
発行日 2009年3月10日
Published Date 2009/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101473
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「潜水服は蝶の夢を見る」(監督/ジュリアン・シュナーベル)という一見奇妙なタイトルは,難解な芸術映画かと思わせもしたが,主人公が「閉じこめ症候群」ということで,なるほど合点がいった.
「閉じこめ症候群」とは,本誌2008年11月号の症例報告(大橋正洋・他)によると,脳梗塞や脳外傷によって,「損傷されていない心が自分自身の身体のなかに閉じこめられ,動くことも話すこともできない状態」になることだ.タイトルは,身体は潜水服を着たように重くても,想像と記憶は蝶のように自由に羽ばたくということを表現したもの.
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