Japanese
English
特集 stroke unitの10年
普及の現状と課題
The present status and problems on increasing organized stroke unit in Japan.
長谷川 泰弘
1
Yasuhiro Hasegawa
1
1聖マリアンナ医科大学神経内科
1Division of Neurology, Department of Internal Medicine, St Marianna Univesity School of Medicine
キーワード:
脳卒中
,
多職種
,
臨床指標
Keyword:
脳卒中
,
多職種
,
臨床指標
pp.1159-1164
発行日 2008年12月10日
Published Date 2008/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101395
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はじめに
脳卒中治療におけるstroke unit(SU)の効果は,すでにメタ解析を含む高いエビデンスレベルで立証された事実であり1-3),わが国を含む世界の脳卒中治療ガイドラインが推奨している診療体制である4,5).近年,その概念は次第に浸透しつつあるものの,いまだに「SUとは脳卒中患者を収容するICUのことである」と誤解して議論されることも多く,エビデンスに基づくSUの普及は十分とは言えない.
一方,諸外国では,すでに脳卒中専用病棟の形態,組織,運営方法を明確に定義づけ,これを広く国内に設置し,SUで行われた脳卒中医療の質や治療効果を評価するシステムを確立しつつある.この点におけるわが国の遅れは大きいと言わざるを得ない.人口の高齢化に伴い,脳卒中患者は今後もさらに増加することが予測されており,わが国の対脳卒中戦略におけるSUの位置づけを明確に定める時期が到来している.
本稿では,まずSUの定義や類型,諸外国の現状を概説したうえで,わが国のSUの普及の現状と今後の課題について考察を加える.
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