Japanese
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特集 障害児者の就学支援
特別支援教育コーディネーター
Special needs education coordinator.
柘植 雅義
1
Masayoshi Tsuge
1
1兵庫教育大学大学院臨床・健康教育学系
1Hyogo University of Teacher Education
キーワード:
特別支援教育
,
特別支援教育コーディネーター
,
就学支援
Keyword:
特別支援教育
,
特別支援教育コーディネーター
,
就学支援
pp.329-333
発行日 2010年4月10日
Published Date 2010/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101744
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特別支援教育コーディネーターの誕生と意義
1.誕生の背景
「特別支援教育コーディネーター」(以下,コーディネーター)の必要性がわが国で初めて公的に示されたのは,文部科学省が設置した「特別支援教育の在り方に関する調査研究協力者会議」が,2003年3月に取りまとめた「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」1)であった.このなかで,「学校においては,教職員全体の特別支援教育に対する理解の下に,学校内の協力体制を構築するだけでなく,学校外の関係機関との連携協力が不可欠である」とし,コーディネーターの必要性が示された.
この最終報告は,これまでの障害の程度等に応じて特別の場で指導を行う「特殊教育」から,障害のある児童生徒一人ひとりの教育的ニーズに応じて適切な教育的支援を行う「特別支援教育」への転換を図ることの必要性が示されるなど,わが国における障害のある子どもの教育のあり方についての具体的な設計図となった.このなかで特別支援教育は,「従来の特殊教育の対象の障害だけでなく,LD(学習障害),ADHD(注意欠陥/多動性障害),高機能自閉症を含めて,障害のある児童生徒の自立や社会参加に向けて,その一人一人の教育的ニーズを把握して,その持てる力を高め,生活や学習上の困難を改善又は克服するために,適切な教育や指導を通じて必要な支援を行うものである」とされている.そして,特別支援教育を推進するための仕組みとして,「特別支援教育コーディネーター(仮称)」,「個別の教育支援計画」,「広域特別支援連携協議会」が示された.そのなかでコーディネーターは,校内や地域の特別支援教育推進の中核として位置づけられている2).
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