Japanese
English
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
要旨:〔目的〕脊髄障害自立度評価法Spinal Cord Independence Measure(SCIM)の脊髄損傷者における妥当性と信頼性を,Functional Independence Measure(FIM)運動項目(mFIM)と比較することで検討した.〔対象〕2001年1月から2005年6月までに総合せき損センター(以下,当院)へ入院した外傷性脊髄損傷者206名(男性172名,女性34名,平均年齢49.8±21.0歳)であった.〔方法〕妥当性の検討は,(ASIA)motor score(AMS)分類(計11群),および損傷高位分類(計12群)ともに隣接群間比較を行った.信頼性の検討は,Kappa係数(κ係数),および級内相関係数(ICC)を用いて行った.〔結果〕AMS比較では,mFIMとSCIM共に運動完全麻痺群のほぼ全ての隣接群間に有意差を認め(p<0.05~p<0.001),運動不全麻痺群の2つの隣接群間に有意差を認めた(p<0.05).損傷高位比較では,mFIM;C5vsC6(p<0.01)・C6vsC7(p<0.001),SCIM;C1/2vsC3・T10-T12vsL1(p<0.05),C5vsC6・C6vsC7(p<0.01)に有意差を認めた.κ係数とICCは,それぞれmFIM;0.30~0.91,SCIM;0.60~0.90とmFIM;0.86~0.99,SCIM;0.91~0.99であった.〔結語〕SCIMは,FIMと同等かそれ以上に損傷高位ごとのADL(activities of daily living)自立度の差を評価点数に反映できており,評価の一致度も高いADL評価法であった.つまり,SCIMは妥当性と信頼性がある評価法であると言える.
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.