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編集後記
鹿
pp.210
発行日 2007年2月10日
Published Date 2007/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100980
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ニッポンが国際競争に敗れては大変だ,欲しがりません勝つまでは,と言わんばかりに…….企業では過労死しても自己責任がまず問われ,欠陥商品を作って見つかれば謝罪はするが保障はしない,商品が売れなくなり経営不振に陥れば社員をリストラし,保険料は取っても契約した保障をしない保険会社があり,増収増益の記録を更新し続ける企業・銀行は金が余ればまず政治献金を考え,不良債権処理を理由に法人税は少し払い,一方でサラ金経由で法定外利息を取り立てて借金地獄を作り出し,爪に火をともして貯めた貯金金利は限りなくゼロに近く,少ない年金にもしっかり課税,そのうえ消費税も,と.偽装請負,不払い超勤,過密労働では,モラル,モラールどころか,昔はあったモノを作る喜びも既になく,お金を動かしてお金を儲けることが美学だという人もいて,いつの間にか労働者の誇りは埃まみれ.都会の生活に疲れ果てて田舎に帰れば,年老いた親を病院に連れて行きたくても近所にあった病院は医師不足,看護師不足で今はなく,町まで行こうとしても電車は赤字で廃線に.そして,妻は夫を,兄は妹を,母は娘を,息子は父を殺めて…….(鹿)
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