Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「トーク・トゥ・ハー」―昏睡状態に至ってもなお性的存在でありつづける人間
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.1177
発行日 2003年12月10日
Published Date 2003/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100948
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「トーク・トゥ・ハー」(監督・脚本/ペドロ・アルモドバル)はきわめてユニークな作品.なにしろ,二組の男女の愛を描いたものとはいえ,いずれも女性は昏睡状態に陥っているのだから.
まずはバレリーナをめざす若きアリシアと看護士のベニグノ.16歳の美少女アリシアは交通事故で昏睡状態に.その後4年間,病院で身の回りの世話をしているのは20代後半に達しているが童貞のベニグノ.彼は事故以前から密かにバレエの練習に励むアリシアを窓越しに眺め恋い焦がれていたのだからこの仕事は望むところであった.眠れる美女を愛することができるポジションは彼の性的傾向を満足させた.
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