増刊号 内科エマージェンシーと救急手技
症状からみた内科エマージェンシー
昏睡
畑 隆志
1
1横浜市立脳血管医療センター開設準備室
pp.140-145
発行日 1998年10月30日
Published Date 1998/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402907078
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ポイント
●昏睡の原因は脳の局所性病変より,代謝性あるいは広範な脳機能障害のほうが多い.したがって中枢神経疾患にとらわれず,全身の状態をよく観察すべきである.
●病歴聴取や神経学的診察に時間をかけすぎない.まず救急処置が必要なことも多く,簡潔にして要を得た診察が大切である.
●神経学的な所見では,眼球症候,神経症候の左右差,髄膜刺激徴候に注目する.眼球症候は脳幹の機能を判断するために最も再現性の高い所見と考えられる.
●昏睡の鑑別診断にCTは極めて有用で,できる限り早い時期に行うべきである.しかし後頭蓋窩病変,くも膜下出血などの診断には限界もあり,その成績を過大評価すべきではない.
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