実践講座 クリニカルパスの効果的運用6
(座談会)クリニカルパスの効果的運用のために
原 寛美
1
,
伊藤 良介
2
,
山中 英治
1
,
藤谷 順子
4
1相澤病院リハビリテーション科
2神奈川リハビリテーション病院リハビリテーション科
4国立国際医療センターリハビリテーション科
キーワード:
脳卒中
,
脊髄損傷
,
バリアンス
,
電子カルテ
,
施設連携パス
,
パス大会
Keyword:
脳卒中
,
脊髄損傷
,
バリアンス
,
電子カルテ
,
施設連携パス
,
パス大会
pp.1147-1154
発行日 2003年12月10日
Published Date 2003/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100942
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藤谷 今回は本連載の締めくくりとしまして,「クリニカルパスの効果的運用のために」と銘打って座談会を企画しました.リハビリテーションにおけるクリニカルパス(以下,パス)の効果的な運用について考えてみたいと思います.はじめに原先生,伊藤先生,先生方の病院とパスの現状をお聞かせいただけますか.
原 わたしどもの相澤病院は急性期病院であり,病院全体の平均在院日数が14日弱です.急性期病院だからこそリハビリテーションが重要であり,リハビリテーションを入院直後から実施しているから病院全体の在院日数が短縮しているのだという認識に立っています.全体では223のパスがあり,そのうち入院診療計画書の形式として患者に提示しているのは183です.平成13年にパスを導入して,現在,入院患者全体への適応率が65%に達しています.リハビリテーションをパスのなかに入れている疾患は,脳卒中,大腿骨頸部骨折,腰椎疾患の術後,さらに心臓外科のCABG(冠動脈バイパス置換術)の術前・術後です.
伊藤 神奈川リハビリテーション病院は,リハビリテーション専門病院と障害者総合医療センターの2つの性格をもっています.疾患としては,脊髄損傷(以下,脊損),脳外傷,それと変形性股関節症が多く,脳卒中はほとんどおりません.現在,パスは脊損が3,脳外傷が3,股関節が2の計8つあります.股関節術後はあまり問題ないのですが,脊損や脳外傷はバリアンスが多く,パスにのせるのに苦労しています.全体のなかのパスの適用症例は,股関節術後80%,脳外傷80~90%,脊損50%です.
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