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特集 外科におけるクリニカルパスの展開
クリニカルパス導入の事例
大腸癌に対するクリニカルパス
Clinical pathway for colorectal carcinoma
宮島 伸宜
1
,
山川 達郎
1
Nobuyoshi MIYAJIMA
1
1帝京大学医学部附属溝口病院外科
キーワード:
大腸癌
,
クリニカルパス
,
腹腔鏡下手術
,
バリアンス
Keyword:
大腸癌
,
クリニカルパス
,
腹腔鏡下手術
,
バリアンス
pp.479-483
発行日 2001年4月20日
Published Date 2001/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407904427
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大腸癌症例のクリニカルパスの導入と実例について述べる.導入することによって医療の質が高まり,効率化され,結果的に入院期間の短縮をめざした.今回作成したクリニカルパスを実際に適用したところ,早期癌症例あるいは腹腔鏡下手術症例ではクリニカルパス通りに完遂可能な症例が多かった.しかし,高度進行癌症例では負のバリアンスが多く,問題を残していた.通常は術後約2週間で退院が可能であるが,早い退院に戸惑う患者もみられた.このような混乱を避けるためには外来での説明時,人院時,手術前にクリニカルパスの意義を十分に説明し,早期退院のみをめざすためだけのものではなく,医療の質の向上と効率化を目的としていることを理解してもらうことが重要である.バリアンスがみられた場合にはその都度検討を行うことで合併症の予防につながるものと考えられた.今後,クリニカルパスをさらに有効なものにするためには大腸癌をいくつかに分類し,クリニカルパスもある程度細分化して個々の症例によく合致するようにして運営するとバリアンスの発生は低下するものと考えられた.
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