Japanese
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講座 義肢装具の基本理論4
プラスチック短下肢装具用足継手
The characteristic of ankle-joint for plastic ankle-foot orthosis.
早川 康之
1
Yasuyuki Hayakawa
1
1北里大学医療衛生学部リハビリテーション学科
1Kitasato University School of Allied Health Sciences
キーワード:
プラスチック短下肢装具
,
足継手
,
制御
,
脳卒中方麻酔
Keyword:
プラスチック短下肢装具
,
足継手
,
制御
,
脳卒中方麻酔
pp.745-751
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100868
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はじめに
短下肢装具は失われた機能を補助する目的で装着するものである.とくに多くの場合,脳卒中片麻痺者に限らず,歩行機能の補助という重要な役割を持つ.歩行は静止している状態とは異なり,体重をよりスムーズに前方へ移動させることを目的とするが,短下肢装具の場合,足関節の制御を行うことで体全体の動きに大きく関与することができる大変興味深い装具であると言える.
従来,装具用足継手は金属支柱短下肢装具に用いるクレンザック継手などの一軸の継手や,プラスチック製の後方板ばね支柱付き短下肢装具(いわゆるシューホン型)などの本体と一体型のたわみ継手がほとんどであったが,ここ数年でプラスチック短下肢装具用の足継手が多く使われるようになった.高嶋1)は,脳卒中片麻痺者に製作された短下肢装具の割合について調査し,継手付きプラスチック短下肢装具がプラスチック短下肢装具の33%を占めることを報告している.調査内容が異なるが,1993年の隅谷らの報告では5%以下であったことを考えると実に大きな伸び率である2).普及の大きな要因の一つに継手部分の既製品化があげられる.医療スタッフのアイデアや,工学的な動作の解析手法を用いることで,さまざまなプラスチック短下肢装具用足継手が開発されており,今後も多くの継手が販売されることが容易に予想される.
本稿では,短下肢装具の構成要素のなかでも,プラスチック短下肢装具用足継手について取り上げ,機能を工学的な立場から解説する.また,装具機能の調節による歩容の変化例を示し,脳卒中片麻痺者に対する短下肢装具用足継手に求められる機能について考察する.
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