Japanese
English
特集 障害と体力
脊髄損傷者
Physical fitness in paraplegics and quadriplegics.
草野 修輔
1
Shusuke Kusano
1
1埼玉医科大学総合医療センターリハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Saitama Medical Center, Saitama Medical School
キーワード:
脊髄損傷
,
運動負荷試験
,
最高酸素摂取量
,
トレーニング効果
Keyword:
脊髄損傷
,
運動負荷試験
,
最高酸素摂取量
,
トレーニング効果
pp.729-734
発行日 2003年8月10日
Published Date 2003/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100865
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はじめに
外傷性脊髄損傷者(以下,脊損者)では,受傷によって生ずる麻痺だけでなく,骨傷部の固定性を得るために急性期には全身的安静が必要であり,短期間でも全身持久力の低下が引き起こされる1).慢性期においては車いす生活のために必然的に活動範囲が限定され,通常生活では運動不足となる.その結果,同年代の健常者と比較して,冠動脈疾患,糖尿病,肥満などの生活習慣病の発症リスクが高まる2,3).したがって,脊損者においては,運動療法としての有酸素運動は急性期における全身持久力低下の改善のみならず,慢性期においては生活習慣病の予防という面からも重要である.運動療法を行ううえでは,障害内容に合わせて適切な運動負荷テストを施行し,その結果をもとに安全で有効な運動処方を行う必要がある.
本稿では,脊損者における全身持久力の指標としての最高酸素摂取量(以下,peak VO2)測定方法と,脊損者におけるpeak VO2に関与する種々の要因,および脊損者における全身持久力向上のためのトレーニング効果について,これまでの研究報告をもとに総説する.
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