Japanese
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特集 工学とリハビリテーション
工学とリハビリテーション医学―連携の課題
Collaboration in rehabilitation engineering.
元田 英一
1
,
高見 健二
1
Eiichi Genda
1
,
Kenji Takami
1
1労災リハビリテーション工学センター
1Rosai Rehabilitation Engineering Center
キーワード:
医工連携
,
リハビリテーション工学
Keyword:
医工連携
,
リハビリテーション工学
pp.425-430
発行日 2007年5月10日
Published Date 2007/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100845
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医工連携の必要性
リハビリテーションの目的は,失われた機能を訓練(歩行訓練,バランス訓練,筋力強化,痙縮・拘縮の改善など)によって回復を図るとともに,回復不可能な機能を補助機器(義肢・装具,自助具,車椅子,環境制御装置;ECSなど)によって代行を図ること,また,両者の組み合わせによって,障害者の自立(家庭内,社会的自立,職業復帰)を図ることにあると言える.また,障害者の機能を定量的に測定し評価する(呼吸機能評価,膀胱機能評価,筋電図,歩行分析,動作分析,筋力評価など)ことも必要である.これらを実施するためには,すべて何らかの装置の使用が不可欠であり,その性能が診断技術と治療効果に大きな影響をもたらすことは明らかである.
リハビリテーションは,医師の指示のもとで,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士などのセラピストが患者の訓練を行う.そのため,訓練は主に人手を要するマンツーマンの作業になる.1人のセラピストが行える訓練量は限られてしまうために,限られた人員のなかで十分な訓練を患者に行えないという問題が存在する.体を支えた歩行訓練や可動域訓練はセラピストにとってかなりの重労働になる.また,障害者や高齢者の介護においても介護士の重労働が問題になり,腰痛などの職業病の原因になる.
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