連載 研究費獲得への道・第4回
多分野の連携・融合が新しい研究課題につながる—医工連携研究の経験
柴本 勇
1
Isamu Shibamoto
1
1聖隷クリストファー大学リハビリテーション学部言語聴覚学科
1Department of Speech Language Hearing Sciences, School of Rehabilitation Sciences, Seirei Christopher University
キーワード:
多分野連携
,
医工連携
,
研究費獲得
,
特許
Keyword:
多分野連携
,
医工連携
,
研究費獲得
,
特許
pp.1019-1022
発行日 2023年9月10日
Published Date 2023/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552202935
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はじめに
毎年学会や研究会に参加すると,多くの研究発表に出合う.どれも,研究計画を立案し計画に沿ってデータ収集し,科学的検証の下で結果を得て発表に至っている.ほとんどは有益な情報である.しかし,同じ専門性の研究者が集った研究は,研究の深みや新規性が重視される.それに費やす時間と労力は相当なものである.筆者も同様に,自身の臨床アイデアを検証する方法を考え,先行文献にあたるとほぼ研究は行われていて,自身の学術的知識の浅さやアンテナの低さを思い知らされていた時期を過ごしてきた.
それが,学会で工学研究者と出会い,自身の研究視点を180度変えることを経験した.工学研究者との研究は,視点が拡がったことだけでなく,既製機材に頼らない新しい研究に挑戦できるようになることや,自身がもつ臨床イメージを自分自身で形にできる大きな転換だった.その結果,多くの研究費を獲得し特許申請に至ることにつながった.本稿では,筆者がこれまで経験してきた工学研究者との多分野連携研究に至る経験について紹介するとともに筆者が考える研究費獲得の道について紹介したい.
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