厚生労働省における医工連携研究支援の現状と課題

Current status and Issues of medical-engineering research support by the Ministry of Health, Labor and Welfare

　医療機器産業は有効で安全な医療機器を実用化し，日本の経済を牽引する大きな役目を担っている．政府としても，健康・医療戦略における6つのプロジェクトのひとつとして医療機器・ヘルスケアプロジェクトを取り上げており，診断・治療の高度化や予防・QOL向上に資する医療機器・ヘルスケアに関する研究開発を推進している．また，「国民が受ける医療の質の向上のための医療機器の研究開発及び普及の促進に関する法律」が議員立法で制定されており，政府の取り組みもこの法律の趣旨に沿った形で進められている．厚生労働省としては，医療機器開発の加速化・産業化を推進するため，医療現場のニーズに即しつつ市場性を見据えた医療機器を開発できる資質を持つ企業人材の育成や，アカデミアやベンチャー企業が有するシーズを実用化につなげるための相談対応など，総合的な支援を実施するための仕組みを構築している．今後も引き続き，技術の進歩に伴って医工連携を育み続けられる確固たるエコシステムの構築が必要である．