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福祉用具サービスの利用状況
1.福祉用具サービスの利用状況
介護保険が開始されてから間もなく3年になろうとしている.要介護認定者数も313万人(平成14年6月末)を超え,介護サービス供給量,サービス利用者数も着実に増えている.従来,公的サービスとしての福祉用具は補装具や日常生活用具として身体障害者福祉法,老人福祉法等により給付されてきた.介護保険では,居宅サービスの一つに位置づけられ,支給限度基準額の範囲内で必要に応じて利用できるため,要介護者にとっては身近なサービスとなったと言えよう.
実際の利用状況をみてみると,居宅サービス利用者におけるサービス別の利用率(平成14年7月審査分の介護給付費実態調査)は30.4%と,訪問介護,通所介護についで高く,また,月別の保険給付実績では平成12年4月の4億円から,平成14年7月で78億円(居宅サービス総額の4.7%)と他のサービスに比較して給付額は小さいが,上昇率が高いものの一つである.訪問介護や訪問看護などの人的サービスとともに,自立支援に有効な福祉用具の普及が進みつつあることが裏付けられる(図1,2).
2.福祉用具貸与(購入)対象種目別利用状況
介護保険での福祉用具貸与および購入対象種目はそれぞれ12種目,5種目が定められている(表1).介護保険では,要介護者の身体の状況,介護の必要度の変化等に応じて福祉用具の交換ができること,資源の有効活用等の考え方から福祉用具は貸与(レンタル)が原則で,1 他人が使用したものを再利用することにより心理的抵抗感が伴うもの,2 使用により元の形状・品質が変化し,再度利用できないものといった点を判断要素として,購入対象種目が定められており,「購入」はあくまで例外的なものとの位置づけである.対象となる福祉用具の種目は厚生労働省告示によって定められ,解釈通知が示されている.福祉用具は住宅改修とともに他のサービスと異なり,費用は事業者が自由に設定(自由価格制)できることが特徴である.
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