短報
正常歩行の下肢筋活動量―抵抗運動との比較検討
石倉 隆
1
,
清水 ミシェル・アイズマン
1
,
岡崎 大資
1
,
梅田 伸子
2
Akashi Ishikura
1
,
Michele E Shimizu
1
,
Daisuke Okazaki
1
,
Nobuko Umeda
2
1広島県立保健福祉大学保健福祉学部理学療法学科
2山陽病院リハビリテーション科
1Department of Physical Therapy, Hiroshima Prefectural College of Health Sciences
2Department of Rehabilitation Medicine, Sanyo Hospital
キーワード:
正常歩行
,
筋活動量
,
抵抗運動
Keyword:
正常歩行
,
筋活動量
,
抵抗運動
pp.481-483
発行日 2003年5月10日
Published Date 2003/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100769
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はじめに
廃用症候群を呈した患者は,筋力増強運動を行ってもその効果が芳しくないことを臨床上経験する1,2).しかし,立位荷重位活動を獲得し歩行が可能となると,筋力増強運動を行わずとも筋力の維持・増強が図られるのも事実である1,2).低活動状態の打開と効率のよい筋力増強運動の方策発掘が急務である廃用症候群において,歩行を中心とした立位荷重位活動が日常生活で行われることは,筋活動量の増加につながり,筋力維持・増強に何らかの影響を与えるものと考えられる.
しかし,歩行を推奨する根拠の一つである歩行中の筋活動量が明確になっておらず,歩行を理学療法プログラムとして用いる際,科学的根拠が欠落し主観的判断にゆだねられることが多い.
そこで,山崎ら3)によって“とくに神経系,運動器系の疾患を有しない被験者の自然または自由な歩行”と定義される正常歩行の筋活動量について,開放運動連鎖による抵抗運動時の筋活動量と比較してその関係を明らかにすることで,正常歩行の筋活動量の指標を明確にし,理学療法プログラム立案の一助にしようと考えた.
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