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新たな「連携」の時代へ
「連携」,「コラボレーション」は今や時代が求める重要なキーワードである.企業間の連携,国際間の連携,地域間の連携等,あらゆる分野で連携の必要性が説かれ,実践され,成果と課題が指摘されている.
「リハビリテーションは多職種の連携によるチームアプローチにより実施される」ことはリハビリテーションの原則の一つであり,リハビリテーション関係者はこれを当然のこととして長年に亘り実践してきた.但し,この場合の連携は従来,病院やリハビリテーションセンター等,医療機関において,医師,看護師,理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,義肢装具士,臨床心理士,リハビリテーション工学技師,ソーシャルワーカー等の狭い範囲の専門職が当事者である患者とその家族のために実施してきたものであった.しかるに,1980年代から急速に発展してきた地域リハビリテーションは,当事者を中心に保健・医療・福祉等,各分野のより広範囲の職種やボランティア等の間の緊密な協働を必要とするようになり,高齢者では介護保険制度の発足により,この連携の方式は制度的にも固まった.一方,重度・重複・高齢化の顕著な障害者の分野でも,「当事者の自己選択により地域を拠点とした諸サービスを活用しながら,在宅地域での充実した自立生活をめざす」ことが推進され,2003年度からは支援費制度を開始し,高齢者同様,ケアマネジメントによるサービス提供システムも導入されようとしている.IT化の波も連携を促進する有効な手段となった.これらのリハビリテーションを巡る状況の変化のなかで,「当事者の参加,自己判断・自己決定を基としたより広範囲の機関・人々等との連携の成否」が今後のリハビリテーションの成否の鍵を握る時代に入ったことは間違いない.
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