Japanese
English
特集 転倒の予防とリハビリテーション
拘束しない看護と転倒のリスク
Non restraint nursing and risk of fall.
本谷 菜穂子
1
,
足立 徹也
2
Naoko Mototani
1
,
Tetsuya Adachi
2
1横浜市民病院手術室
2横浜市民病院リハビリテーション科
1Yokohama Municipal Citizens Hospital
2Yokohama Municipal Citizens Hospital
キーワード:
アセスメント
,
環境調整
,
インフォームド・コンセント
Keyword:
アセスメント
,
環境調整
,
インフォームド・コンセント
pp.211-219
発行日 2004年3月10日
Published Date 2004/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100711
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はじめに
医療・看護の質を考える時,「安全」はもっとも重要な要素であり,平成11年の横浜市立大学医学部附属病院における患者誤認事故発生以来,医療機関では急速に安全管理体制の構築が求められてきた.当院においてもさまざまな取り組みを行っているが,看護部では平成8年度より看護部安全委員会が設置され,委員会活動において事故防止に向けた活動を行っている.なかでも転倒・転落事故については,その防止に向けたアセスメントツールの開発から事故防止対策まで,評価を繰り返しながら力を注いでいる.そこで本稿では,転倒・転落事故防止に向けた当院での具体的な取り組みを紹介したい.なお,当院では転倒・転落とは,足底以外の身体の一部が床面についた状態と定義している.
当院看護部における事故防止への取り組み
1.看護部安全委員会における活動概要
看護部では,患者の安全および看護職員の安全確保のため,業務上の課題の抽出・解決に取り組み,看護サービスの質の向上をめざし,継続的に質改善を図ることを目的として安全委員会を設置している.委員は各看護単位から選出された1名の看護師と5名の師長で構成され,委員を「転倒・転落」,「与薬」,「ひやりハット」の3グループに分け,事故報告書の集計・分析・再発防止に向けた啓発活動等に取り組んでいる.また,年度末には委員会活動報告会を実施しており,ここ数年は他部門の参加を積極的に呼びかけ,活動実績報告だけではなく組織的に改善を要すること等を問題提起し,看護部だけでは解決できないことを院内他部門と共に考え検討する場としている.
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