Japanese
English
研究と報告
当院における認知リハビリテーションの有効性について―WAIS-Rによる検討
The efficacy of cognitive rehabilitation in Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital: a study of WAIS-R.
和田 勇治
1,2
,
本田 哲三
2
,
上久保 毅
2
,
大塚 友吉
,
高橋 秀寿
1
,
千野 直一
3
Yuji Wada
1,2
,
Tetsumi Honda
2
,
Takeshi Kamikubo
2
,
Tomoy2oshi Otsuka
,
Hidetoshi Takahashi
1
,
Naoichi Chino
3
1国立病院機構村山医療センターリハビリテーション科
2東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科
3慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室
1Departmet of Rehabilitation Medicine, National Murayama Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Tokyo Metropolitan Rehabilitation Hospital
3Department of Rehabilitation Medicine, Keio University School of Medicine
キーワード:
Wechsler Adult Intelligence Scale Revised(WAIS-R)
,
認知リハビリテーション
,
高次脳機能障害
Keyword:
Wechsler Adult Intelligence Scale Revised(WAIS-R)
,
認知リハビリテーション
,
高次脳機能障害
pp.881-886
発行日 2004年9月10日
Published Date 2004/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100703
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はじめに
高次脳機能(認知)障害とは,一般的には,運動麻痺や感覚・知覚障害では説明できない言語・動作・認知などに関わる障害とされる1).高次脳機能障害に対する認知リハビリテーションについては,1970年代に始まったDillerらによる半側空間無視に対する治療が嚆矢とされる2)が,認知リハビリテーションの定義については,現在でもその概念が確立されたとは言いがたい.Gianutsos3)は認知リハビリテーションについて,知覚,記憶,言語障害を治療ないしは救済するために考案されたサービス,と述べている.現在では,患者の認知障害を評価,理解したうえで問題解決を図るために行う系統的サービス,とされているが,その対象もしだいに広がり,認知心理学をはじめとする関連領域との連携も深まりつつある.
わが国においても近年,高次脳機能障害のリハビリテーションが注目されているものの,まとまった報告は少ない.今回われわれは,東京都リハビリテーション病院(以下,当院)で行った認知リハビリテーションの効果についてWechsler Adult Intelligence Scale Revised(WAIS-R;ウェクスラー成人知能検査)を用いて後方視的に検討したので報告する.
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