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English
紹介 高次脳機能障害者に対する医療・福祉連携モデルの構築
1.三重モデルの概要
Collaboration system of medical and welfare facilities for patients with higer cortical dysfunction: 1.summary of the Mie model.
白山 靖彦
2
,
園田 茂
2
,
太田 喜久夫
3
Yasuhiko Shirayama
2
,
Shigeru Sonoda
2
,
Kikuo Ota
3
2藤田保健衛生大学七栗サナトリウム
3松阪中央総合病院リハビリテーション科
2Department Rehabilitation Medicine, Fujita Health University Nanakuri Sanatorium
3Department of Rehabilitation Medicine, Matsusaka Chuo Hospital
キーワード:
高次脳機能障害
,
連携
,
システム
,
社会福祉施設
Keyword:
高次脳機能障害
,
連携
,
システム
,
社会福祉施設
pp.887-892
発行日 2004年9月10日
Published Date 2004/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100704
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はじめに
昨今,「高次脳機能障害」にスポットを当てた報道や論文を目にする.「制度の狭間に置き忘れられていた巨人が深い眠りから覚めた」とも言うべきであろう.そして,医療だけでなく福祉分野においても早期の支援体制整備を求める声が広がっている.
このような社会的背景に後押しされて三重県では,平成12年に「高次脳機能障害者」に対する支援施策の準備を始めていたが,平成13年度から厚生労働省においても「高次脳機能障害支援モデル事業」が実施されることになり,結果的には相乗りでの事業開始となった.名称は「高次脳機能障害者(児)生活支援事業」であり,あえて事業名に「生活」を入れたのは,当事者の生活(地域,職場も含む)が主体であり,出発点は「生活モデル」であることを喚起するためであった.
こうして,「見えない障害」1)と言われる高次脳機能障害を負った人々への支援を本格的に開始するため,社会福祉施設・三重県身体障害者総合福祉センター(以下,身障センター)を第一義的機関として,松阪中央総合病院,藤田保健衛生大学七栗サナトリウム(以下,七栗サナトリウム)と連携して実質的な包括的医療・福祉連携モデルを構築した.
本論文では,高次脳機能障害者(児)生活支援事業が開始3年目を迎えた今,新たな医療・福祉連携モデルの概要とその有用性を報告する.
高次脳機能障害とは,「記憶障害,注意障害,遂行機能障害,社会的行動障害などの認知障害を主たる要因として,日常生活及び社会生活への適応に困難を有する障害とする」2)ものとする.
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