Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「風の舞」―元患者が伝えるハンセン病の現在位置
二通 諭
1
1千歳市立北進中学校
pp.481
発行日 2004年5月10日
Published Date 2004/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100587
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「風の舞」(監督/宮崎信恵)は,ハンセン病患者の詩人塔和子の過酷な人生とそこから生まれた詩に光を当てたドキュメンタリー.59分の小品ながら,私にとっては03年邦画ベストワン作品.塔の詩集に胸を熱くしたという吉永小百合も,挿入された11編の詩のうち9編をボランティア朗読するという形で参加.実に正しい行いである.
ハンセン病患者は1907年に制定された法律「ライ予防ニ関スル件」,53年の「らい予防法」などによって強制的に各地の療養所に隔離収容され,家族のもとに帰ることはおろか骨になっても帰れなかったという.43年にアメリカで治療薬が開発され治癒する病になったわけだが,隔離収容政策はなんと96年まで続いたのである.
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