発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2008056089
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平均寿命の延長と高齢社会の到来により、要介護・寝たきり予防のためのさまざまな施策など、具体的な介入方法や筋力トレーニング等のプログラムの構築が急務とされてきている。高齢者の身体特性に即した筋力トレーニングの主眼は、速筋線維の衰えの予防、および運動単位による神経系動員の促進にあり、無理なく楽しく行える、あるいは普段の生活からいつでも行える方法が有効である。つまり、高齢者の筋力トレーニングは、筋肉量や筋力の向上、介護度の改善を目指すのではなく、移動能力や基本的日常生活動作(activity of daily living:ADL)を見据えた、いわゆる介護の主たる原因である寝たきりや要介護状態を低減することが目的とされる。したがって高齢者の筋力トレーニングを考える場合、その過程の中で培われた身体能力と自信と希望により、行きたいところに自分の力で移動をして、やりたいこと、やるべきことができるようになるための、介護予防の手段や過程こそが重要とされる。
©Nankodo Co., Ltd., 2007