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はじめに
COPD(慢性閉塞性肺疾患)において栄養障害が高率に認められることは広く知られており,予後,呼吸筋力,閉塞性換気障害,運動耐容能,感染防御能との関連から注目されている.体重減少が独立した予後因子である1-3)ことは1980年代から報告されており,GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)でもエビデンスAにランクされている4).COPDにおける体重減少・栄養障害の頻度は高く,これらを評価し,改善させることが生命予後・運動耐容能・QOLの改善につながることが期待されている.
栄養評価
栄養評価は,身体計測と生化学検査の2側面から評価可能である.
身体計測の面では,体重(%標準体重,体格指数)がもっとも一般的で,日本呼吸器学会COPDガイドラインでは,%標準体重が90未満を軽度低下,80未満を中等度,70未満を高度低下として,栄養療法の必要性を述べている5).%上腕三頭筋部皮下脂肪厚(%TSF),%上腕筋囲(%AMC)の減少も報告されている6).
近年は,DXA(dual energy X-ray absorptiometry)を用いた体成分分析で体脂肪量および除脂肪体重(lean body mass;LBM)の測定が可能となり,軽度体重減少例では体脂肪量が,中等度体重減少例ではLBMが減少するとされている.COPD症例のLBMは運動耐容能との関連7)が注目されている.
生化学検査の面では,血清アルブミンが低下する以前から,RTP(rapid turnover protein)(トランスフェリン,プレアルブミン,レチノール結合蛋白)が低下していることが示されている8).血漿分岐鎖アミノ酸/芳香族アミノ酸比(BCAA:AAA,正常値3.9前後)の低下も報告されている9).
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