巻頭言
Department of Internal Medicine & Rehabilitation Science
上月 正博
1
1東北大学病院リハビリテーション部
pp.105
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100536
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私は医学部を卒業してから主に内科医として14年,臨床・研究を行ってきた.しかし多くの脳卒中,心筋梗塞,腎不全,呼吸不全などの患者さんに遭遇するにつれて,全人的治療とケアを行いたいという欲求が募り,リハビリテーション医に転向して10年になる.
高齢化により心臓,肺,腎臓といった内臓諸臓器が衰えるが,その衰えるスピードは生活習慣病とそれによる臓器障害によって一気に加速する.運動により筋力が10歳若返るのはたいして難しくないのに,内臓機能年齢が10歳若返るのは至難の業である.運動能力や運動時の事故の危険性の有無は,内臓諸機能(特に,心,肺)にも大きく左右される.動脈硬化性疾患の増加,超高齢化や内部障害患者の急増により,整形外科の知識のみならず内科の知識がリハビリテーション医に昨今強く要求される所以である.
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