寄稿・治療体験記
―ニューヨーク大学医療センター・ラスク研究所における脳損傷者通院プログラム―「脳損傷者通院プログラム」における前頭葉障害の補塡戦略(前編)
立神 粧子
1
1フェリス女学院大学音楽学部音楽芸術学科
pp.1000-1005
発行日 2006年10月10日
Published Date 2006/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100403
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治療体験記 掲載の趣旨
New York大学の「脳損傷者通院プログラム」(以下,Rusk)は,1978年に創設された.最初の6年間は,モデル事業として政府の助成で運営されていた.モデル事業期間中に達成されたことは,以下の3点である.①プログラムのために開発された治療的リハビリテーション技法が,認知・行動・職業能力にどのような効果を及ぼすか,これを系統的に確認することができた.②どのような脳外傷者がこのプログラムの適応になるかを判別できた.③プログラムの成果を研修会や印刷物によって,米国のリハビリテーション専門職に伝えた.モデル事業後,このプログラムは事業化され,国際的評価も高いものへと洗練された.
本編は,Ruskにおける治療体験記の後半である.前半では,脳損傷による認知機能あるいは認知機能の欠損(症状)の定義が示された(34巻5,6号掲載).後半の2編では欠損を代償するための戦略が示される.
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