特集 障害者自立支援法をめぐって
それぞれの立場から
家族の立場から―<持続>と<発展>のための苦策
松友 了
1
1社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
キーワード:
支援費制度
,
介護保険制度
,
就労支援
,
地域移行
,
障害程度区分
Keyword:
支援費制度
,
介護保険制度
,
就労支援
,
地域移行
,
障害程度区分
pp.740-742
発行日 2006年8月10日
Published Date 2006/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100352
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はじめに
最初に何点かの断りが必要である.第1点は,「家族の立場」ではあるが,筆者は知的障害のある青年の親,それも一人の青年の親の立場でしかない,ということである.また,社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会(以下,全日本育成会)の方針を基に,常務理事の肩書で記すが,すべての責任は筆者個人に帰す.すなわち,組織の文書でなく個人の論文である,という点である.
さて,審議の過程で障害者団体においても賛否両翼に分かれた障害者自立支援法(以下,支援法)は,この2006年4月をもって一部施行された.全日本育成会は,かなり早い時期に可決・成立の推進を唱え,その実現へ向けて行動した.もちろん,30万人余の個人会員を構成団体(正会員.都道府県・指定都市育成会)に抱える巨大な団体である.全員が足並みを揃えるどころか,地方組織や個人のレベルでは異論を唱える存在もあったが,大勢としては会の方針に賛同いただいたと考えている.
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