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特集 小児リハビリテーションの最新情報
発達の診断・評価
Diagnosis and evaluation of developmental disorder.
近藤 和泉
1,2
,
細川 賀乃子
1,3
Izumi Kondo
1,2
,
Kanoko Hosokawa
1,3
1弘前大学医学部附属病院リハビリテーション部
2輝山会記念病院
3藤田保健衛生大学七栗サナトリウム
1Rehabilitation Center, Hirosaki University Hospital
キーワード:
発達障害
,
評価尺度
,
難易度マップ
Keyword:
発達障害
,
評価尺度
,
難易度マップ
pp.515-522
発行日 2006年6月10日
Published Date 2006/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100314
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はじめに
発達とは,急速な伸びを示す時期,それが鈍る時期を経て,最終的に定常状態に達するという時相的な現象である.発達の診断・評価を行うためには,これらの諸相のなかでどのような異常が起こっているかを知らなければならない.診断とは,特定のカテゴリーに当てはまるか否か判断することであり,発達の異常の検出は,正常な発達範囲から「逸脱」しているかどうかをみることになる.さらに,障害がありながらも発達していく子どもの経時的な変化を捉えるためには,基本的な日常生活スキルがどの程度達成されているかを知る,すなわち「機能評価」を行うことになる.
このため,発達の診断・評価には,診断基準および評価尺度という手段を必要とする.以前は当たり前であった医療者の恣意的な判断に基づく診断や評価は影をひそめつつあり,あらかじめ決められた基準や評価方法に従って,その作業を進める時代が到来している.また,診断基準に基づいて診断が行われ,標準化された評価尺度を使って経時的な評価が行われることによって,治療のためのエビデンスが徐々に用意されつつある.最近ICD-10における精神および行動の障害の研究用診断基準や,DSM-Ⅳの発達障害の診断基準が整備され,発達障害の診断は包括的で確度の高いものになっている.このため,今回は主に発達の評価に使われる尺度について.最新の知見を紹介したい.
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