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<一般演題>
1.当院における「もの忘れリハビリ外来」の現況について
千葉労災病院リハビリテーション科
中村 哲雄・小沢 義典・安田 清
当院では2003年12月に痴呆症に対するリハビリテーションの取り組みを目的に「もの忘れリハビリ外来」を開設した.13例の受診があり,多くは院内からの症例で,院外からは2例と少ない.年齢は41~81歳,平均70.8歳であった.受診後,一般診察を行い,脳のMRI,神経心理学的検査,重症度検査を行い,後日,脳神経外科医師とともに鑑別診断検討を行い方針を決定した.診断ではアルツハイマー3例,脳血管障害3例で,7例は診断が確定できなかった.リハビリテーションを行ったものが8例,痴呆介護の会を紹介したものが2例,デイサービスを勧めたものが1例,経過観察としたものが2例であった.軽度の痴呆の患者が多く,日常生活指導で対処している例が多かった.経過が短く,リハビリテーション効果の判定は困難であるが,介護者からは好評を得ている.
2.千葉市肢体不自由児通園施設における重症児医療の現状―関連機関との連携およびそれぞれの役割
千葉市療育センター 高橋 弦・角谷 洋子
千葉市大宮学園 鬼島 敦子・藤平 博美
肢体不自由児通園施設は法的には肢体不自由児の保育と訓練を行う施設であり,そのための設備と職員配置がされている.だが近年,小児医療の在宅移行が急速に進み,日常的に吸引や経管栄養などの「医療的ケア」が必要な「重症児」の占める割合が増えつつある.一方,母子通園を原則とした肢体不自由児通園においても,自立,ノーマライゼーション,レスパイトを目的とした「分離保育」が取り入れられるようになった.重症児に分離保育を実施する場合には,施設職員が医療的ケアを行うことが求められる.しかし,1名の看護師と保健設備だけで実施することの問題,業務としての位置づけについて,これまでほとんど検討されてこなかった.今回は,千葉市の2施設における重症児と医療的ケアの現状を報告し,地域医療において,それぞれの機関の医師,看護師が担うべき役割を提案した.
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