Japanese
English
研究と報告
統合失調症患者に対する身体認知フィードバックによる転倒予防効果
Effect of physical recognition feedback for the prevention of falls in people with schizophrenia
細井 匠
1
,
南部 誠
1
,
牧野 英一郎
1
Takumi Hosoi
1
,
Makoto Nanbu
1
,
Eiichiro Makino
1
1医療法人社団総合会武蔵野中央病院
1Musashino Central Hospital
キーワード:
統合失調症
,
身体認知
,
転倒
Keyword:
統合失調症
,
身体認知
,
転倒
pp.1153-1158
発行日 2017年11月10日
Published Date 2017/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552201153
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要旨 【目的】統合失調症患者に対して身体機能をフィードバックすることにより,身体機能の認識誤差という転倒リスクが軽減できるか否かを検証すること.【対象と方法】入院中の統合失調症患者30名を対象に,10週間の「身体認知フィードバック」を行い,「身体認知フィードバック」の前後26週間の転倒率を比較した.また,最大一歩幅を用いた身体機能の認識誤差を,調査開始時点と「身体認知フィードバック」の前後,26週間後の計4回測定した.【結果】「身体認知フィードバック」前後26週間の転倒率を比較した結果,平均転倒率は4.4±8.4から3.0±5.0に低下したものの,有意な差はなかった.しかし認識誤差の平均値は,初回13.7±8.9cm,2回目13.2±10.1cm,3回目6.8±6.6cm,4回目11.5±9.2cmであり,「身体認知フィードバック」後に身体機能の認識誤差は有意に軽減した.【結語】精神科在院中の統合失調症患者に対して身体認知フィードバックを行うと,転倒率が有意に減少するほどの効果はなかったが,身体機能の認識誤差が一時的に軽減した.
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