連載 とびら
大事なことはみーんな患者さんに教わった
小山田 香
1
1株式会社ふぃーるユアぶれす
pp.1311
発行日 2024年12月15日
Published Date 2024/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203661
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理学療法士として働きはじめた35年前,当時サービス残業は当たり前,遅くまで仕事がずれ込んで,記録をこなしつつ夕食が終わるのを待ってから残りの病棟業務に出かけることも多かった.
筋萎縮性側索硬化症の50歳台女性を担当したのは確かまだ1年目.300床クラスの総合病院で神経内科は主な標榜科でもあり,通例となっていた2〜3週間のリハビリテーション目的を兼ねた入院に病棟スタッフは慣れっこらしく,院内に何台もない3モーターのベッドが早々に用意されていた.新米の私は,初めてみる疾患の患者を前に教科書を慌てて繰り直し,学生実習の手順をなぞるのが精一杯だった.
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