What's your diagnosis?[151]
“みため”だけではダメかしら?!
橘高 昭子
1
,
井上 賀元
1
1京都民医連中央病院内科
pp.609-612
発行日 2015年7月15日
Published Date 2015/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429200270
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病歴
患者:66歳,女性.
主訴:亜急性に進行する認知機能の低下.
現病歴:入院1カ月前までは普通に就労できていた.入院15日前,友人より地域包括支援センターに「認知機能が落ちているようだ」と相談あり.MSWが訪問したところ,自宅内は荷物・衣類が散乱していた.意思の疎通は図れないが,食事と排泄はできているようだった.入院7日前,介護サービスが導入されたものの,入院3日前よりマンション内徘徊が始まった.日に日にADL低下が著明になり,入院前日には自力では食事・排泄も困難で,会話も成立しない状態であった.入院日に精神科病院を受診.症状の出現・経過が急速であることから,現症のより詳細な精査加療を目的に,同日当院を紹介受診した.来院時のADLは,歩行は可,食事は一部介助,他は全介助.
既往歴:なし.内服歴:なし.
アレルギー歴:なし.嗜好歴:飲酒・喫煙なし.
生活歴:独居.結婚歴なし.東京生まれ.30代半ばまで都内で銀行勤務.その後京都で染物業.60歳過ぎより入院1カ月前までは清掃業のパートに従事.同胞4人いるが(兄,姉2人,弟),うち3人は死亡,1人は音信不通.死亡した長姉の甥,姪が神奈川県に在住.海外渡航歴なし.
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