連載 アーキテクチャー 保健・医療・福祉 第49回
ケアポートみまき
宮本 忠長
1
1株式会社宮本忠長建築設計事務所
pp.1022-1025
発行日 1998年11月1日
Published Date 1998/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541902553
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北御牧村は,人口5,400人余り,長野県東部(東信地域)にあり,北に雄大な浅間山を望み,南に蓼科山,西にアルプスが一望できる自然豊かな村である.北御牧村の高齢化率は、23.1%(計画当時)と県下第2位の高率である.
ところで,信州は他県に比べ温泉地が多い県である.しかし,この地域は昔から温泉に恵まれなかった.北御牧村やその周辺に住む人々は十数キロ離れた上山田,戸倉温泉郷辺りへ遊山湯治に出かけるのであったが,近年の温泉発掘ブームで,村の中に豊富な噴出量を持つ,源泉を掘り当てた.その源泉を利用した「御牧乃湯」は,村内の人々はもとより周辺の入湯者で賑わい,温泉保養地として新しい「温泉邑」を計画した.年次ごとに増加を重ね,今日,年間22万人近い温泉の利用者に対応するべく施設群も充実,屋内ゲートボール場,村内の農作物の販売,休息,文化を楽しむ変化に富んだリラクゼーションゾーンとして,文字通り「温泉邑」が完成したのである.
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