FOCUS
患者さんにとっても看護師にとっても―靴は大事だよ
平田 麻紀子
1
1和功堂
pp.74-81
発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1689100321
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町で目にする歩きにくそうな靴
この仕事をはじめてから、とても人の足元が気になります。気がつくと町で歩く人の姿や靴、自分の姿勢などを観察してしまっています。たぶん眼鏡屋さんは他人の眼鏡の適合や使い方が気になるのだろうし、服を売っている人は他人の服の組み合わせやデザインなどが気になるのでしょうね。
気になってよく見てしまうのは歩きにくそうな人です。特にミュールをつま先にちょっとだけ引っ掛けて、脱げないように足を固めてずりずりと歩いている(図1)若い女性や、明らかにサイズが小さく、しかも足趾(足のゆび)の付け根の関節から爪先の形が急激にとがっている靴(図2)で指先を締め付けている様子のお年寄りに目がいきます。これでは転んでも仕方がないかもしれない、と心配になります。足が痛くてきちんと歩けない→歩かなくなる→筋力が衰える、血液循環が悪くなる→疲れやすくなる、具合が悪くなる、転倒する→さらに歩かなくなる、動かなくなる→引きこもる→寝たきりという図式が浮かんできます。
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