Japanese
English
症例報告
妊娠前から分娩後に至る骨盤形態の縦断的症例検討
Changes in pelvic morphology from pre-pregnancy to post-partum: a longitudinal qualitative case study
増田 一太
1
,
来田 宣幸
2
Kazuto MASUDA
1
,
Noriyuki KIDA
2
1国際医学技術専門学校理学療法学科
2京都工芸繊維大学基盤科学系
キーワード:
骨盤形態
,
骨盤外計測法
,
周産期
Keyword:
骨盤形態
,
骨盤外計測法
,
周産期
pp.367-370
発行日 2024年3月15日
Published Date 2024/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203401
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要旨 本研究は,妊娠前に骨盤形態計測を実施し得た経産婦を対象に,妊娠初期から分娩後8週間にわたる骨盤形態変化を前方視的に調査したケーススタディである.骨盤形態計測は,妊娠11週以降より分娩後8週まで実施し,妊娠前の値と比較検討した.特徴的であったのは,妊娠から分娩後までの両上前腸骨棘間距離の変化は,妊娠19週で妊娠前の計測値に比べ2cm(8.9%)の開大を認め,全計測期間中の最大値となり,分娩後5日目には妊娠前と同値となった点である.この妊娠初期の変化は,胎児の発育状況から考え,女性ホルモンの影響が強い可能性が示唆された.一方,分娩後の骨盤形態は,わずか5日目で妊娠前と同値となったことから,分娩に伴う力学的環境の変化が形態変化の原動力となった可能性が高い.このような周産期を通した一連の骨盤形態変化は骨盤帯痛の一因にもなるため,円滑な社会復帰を促すためにも管理していく必要がある.
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