特集 周産期の画像診断 第3版
母体・胎児編 Ⅱ.X線診断
骨盤計測
高木 健次郎
1
,
大澤 奈月
1
,
望月 千明
1
,
山田 阿実
2
,
西原 陽介
3
TAKAGI Kenjiro
1
,
OHSAWA Natsuki
1
,
MOTIZUKI Chiaki
1
,
YAMADA Ami
2
,
NISHIHARA Yosuke
3
1練馬光が丘病院産婦人科
2練馬光が丘病院医療技術部放射線室
3練馬光が丘病院放射線科
キーワード:
X線骨盤計測
,
骨盤CT撮影
,
児頭骨盤不均衡
,
骨盤形態
Keyword:
X線骨盤計測
,
骨盤CT撮影
,
児頭骨盤不均衡
,
骨盤形態
pp.248-254
発行日 2024年12月23日
Published Date 2024/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000001853
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はじめに
X線画像を用いる骨盤計測は,骨盤入口面を評価するMartius法と,側面からの画像撮影のGuthmann法が一般的である。骨盤計測の目的は,経腟分娩の可否について評価するためであり,児頭骨盤不均衡(cephalo pelvic disproportion:CPD)の可能性について分娩開始前に評価する事である。単純X線撮影(以下,単純撮影)では後述する産道のうち骨産道の評価目的で撮影されるが,最近ではCT画像やMRI画像を用いる方法も報告されており1~4),より安全で精度の高い方法が望ましいと考える。骨盤X線撮影の施行に関しては,放射線被曝のリスクや計測結果を用いた経腟分娩成否予測の信頼性などの問題を重視する意見もあり,その必要性については一様ではない。そのためか,最新版の日本産科婦人科学会の「産婦人科診療ガイドライン産科編2023」には,骨盤計測やCPDに関する項目の記載がなくなっている。近年,無痛分娩を取り扱う産科施設が増えてきており,CPDのリスクに関する事前評価は,子宮破裂や胎児機能不全・子宮内胎児死亡などの危険回避のために重要である。
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