Japanese
English
研究と報告
精神分裂病者の縦断的研究—WAISによる検討
A Longitudinal Study of Schizophrenic Patients: Intellectual aspects through the WAIS
青柳 信子
1
,
澤田 幸展
2
,
石川 幹雄
3
,
高柳 英夫
3
,
高畑 直彦
3
Nobuko Aoyagi
1
,
Yukihiro Sawada
2
,
Mikio Ishikawa
3
,
Hideo Takayanagi
3
,
Naohiko Takahata
3
1札幌花園病院
2札幌商科大学
3札幌医科大学神経精神医学教室
1Sapporo Hanazono Hospital
2Sapporo College of Commerce
3Department of Neuropsyehiatry, Sapporo Medical College
キーワード:
Longitudinal study
,
Schizophrenic patients
,
Wechsler Adult Intelligence Scale
Keyword:
Longitudinal study
,
Schizophrenic patients
,
Wechsler Adult Intelligence Scale
pp.375-381
発行日 1984年4月15日
Published Date 1984/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405203745
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録 分裂病者の縦断的研究の一環としてWAIS知能診断検査を,分裂病者24名に10年ないし13年の間隔をおいて,前後2回実施した。第1回に比し,再検査時に「全検査IQ」,「言語性IQ」,「一般的知識」,「算数問題」,「符号問題」,「積木問題」,「絵画配列」,「組合せ問題」で有意に下降する症例の多いことが認められた。また,軽症群と重症群との関係では,「全検査IQ」,「言語性IQ」,「一般的理解」で後者に下降する症例の多いことが認められた。さらに,「類似問題」では評価点の相違により,独自な有意差を見出した。
これらの結果から,長期にわたり病院との関係を持続している分裂病者の多くは歳月の経過の中で知的側面の低下を来すことが示された。しかしながらこの要因には,分裂病者の置かれた,特殊な環境,状況が浮きぼりにされ,分裂病者の本態的変化をとらえてゆくためには,今後さらに厳密な検討が必要であると考えられた。
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.