原著
妊娠に至る前に体外受精を断念した理由
原井 淳子
1
,
斎高 美穂
1
,
二宮 睦
1
,
宿利 佳子
1
,
広瀬 美代子
1
,
指山 実千代
1
,
宇津宮 隆史
1
1セント・ルカ産婦人科
pp.1425-1428
発行日 1999年11月10日
Published Date 1999/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409903844
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現在の不妊患者の状況は,専門的な医療機関の不足,高額な治療費,社会の誤った認識などさまざまな問題をかかえている.そこで今回体外受精を行い,妊娠に至らなかったにもかかわらず治療を断念した患者の理由を調べた.対象は179名で回収率は40.8%であった.結果は,結婚歴4年以上が86%,年齢は30歳台が67%,不妊期間4年以上81%,理由として経済的な問題34%,身体的な問題27%,精神的な問題19%,自然妊娠4%,その他16%であった.体外受精の治療には,高額な治療費,身体的苦痛,精神的ストレスを伴い,治療を断念した後も子供がほしい気持ちは捨てきれないことが判明した.よって体外受精カウンセラー,コーディネーターによる相談などにより,現在治療中の患者が納得いくまで治療を続けられる体制をつくらなければならない.
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