連載 難しい症例のみかた・第2回
小児先天性四肢形成不全,欠損症における理学療法—膝関節離断術を施行した先天性両脛骨列欠損児の1例
井上 和広
1
Kazuhiro Inoue
1
1北海道立子ども総合医療・療育センターリハビリテーション課
pp.977-980
発行日 2023年8月15日
Published Date 2023/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203159
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先天性四肢形成不全は,胎生期に生じ出生時に四肢の形態異常を示す疾患の総称であり,四肢の低形成や変形,欠損などさまざまな臨床像を示す.海外の疫学調査では1万人出生あたり5〜6人とされており,国内においても1万人出生あたり4.5人と報告されている1).
治療は保存的治療をはじめ,整形外科的手術による四肢再建術や切断,義肢や装具療法,発達促進や機能向上に対するリハビリテーションが組み合わされ実施される.また,稀少疾患ゆえにリハビリテーションや義肢に関する報告や情報も少なく,家族をはじめ担当医師やセラピストは悩みながら支援を続け,患者の出生時から成長に伴う継続的かつ長期的な対応が必要となる1,2).本稿では,膝関節離断術を施行し歩行獲得に至った先天性両脛骨列欠損児の整形外科的手術や理学療法経過,装具・義肢処方経過などを報告する.
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