論述
先天性四肢欠損の発生について—先天性四肢切断を中心として
木野 義武
1,2
Yoshitake KINO
1,2
1名古屋大学医学部整形外科学教室
2名古屋大学環境医学研究所
pp.664-674
発行日 1971年8月25日
Published Date 1971/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904580
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緒言
指肢にみられる輪状の"くびれ"から遠位部の欠損にいたる一連の先天異常は,constriction ring,annular groove,annular defect,fetal amputation,intrauterine amputation,fetal amputation with constriction ringなどの名称で呼ばれてはいるが,種々の高位での種々の程度の絞扼輪を伴う末梢部形成不全奇形の総称である.Kohler(1962)はamputationという言葉はむしろ外力による機械的切断を思わしめるのでその名称は妥当ではなく"transverse defects"の名称がよいと述べている.
本症の病因が内因性のものか,外因性のものかについては古来多くの議論がなされており,病因論の歴史的変遷はきわめて興味深いものがある.
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