Japanese
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症例報告
変形性股関節症に対する人工股関節全置換術後に発症した外側型弾発股の画像評価と理学療法評価の統合と解釈
Integration and interpretation between image and physiotherapy evaluation of external snapping hip after total hip arthroplasty for osteoarthritis
丹羽 結生
1
,
松本 正知
1,2
,
和田 満成
1
,
稲垣 忍
1
,
田口 敦也
1
,
松田 理
3
Yuki NIWA
1
,
Masatomo MATSUMOTO
1,2
,
Mitsunari WADA
1
,
Shinobu INAGAKI
1
,
Atsuya TAGUCHI
1
,
Toru MATSUDA
3
1地方独立行政法人桑名市総合医療センターリハビリテーション科
2早稲田大学大学院スポーツ科学研究科
3地方独立行政法人桑名市総合医療センター整形外科
キーワード:
外側型弾発股
,
THA
,
形態変化
,
オフセット
,
シェーマ化
Keyword:
外側型弾発股
,
THA
,
形態変化
,
オフセット
,
シェーマ化
pp.869-874
発行日 2023年7月15日
Published Date 2023/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203132
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要旨 人工股関節全置換術後に外側型弾発股を呈した症例を経験した.過去には手術療法の報告のみであったが,今回,理学療法にて症状の改善に至った.そこで,行った画像評価と理学療法評価,理学療法について具体的に報告する.症例は70歳台の女性で,術後4週経過し,大転子周辺に疼痛と弾発現象が出現し跛行を認めた.X線像で大転子の外側変位と脚延長を認め,超音波検査にて大転子と瘢痕と思われる組織間での弾発現象と,同組織から創部までが一塊となった状態が観察された.理学療法評価では,主に伸展と内転可動域が制限されていた.これらの情報を3方向からシェーマ化し,術前後の形態変化が股関節周囲の軟部組織に与える影響,瘢痕と思われる組織とその周辺の状態,これらと跛行との関連を推測し理学療法を立案した.発症後22週で,瘢痕組織は残存したが症状と歩容の改善を認めた.本症例は術前後の形態変化と軟部組織の状態を三次元的に捉えたことが有効であった.
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