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論説
人工股関節全置換術における股関節オフセットの三次元評価
-――術中イメージで選択したステムオフセットは適切か
Three-dimensional assessment of hip offset for total hip arthroplasty;is the stem offset selected using intraoperative fluoroscopy appropriate?
久留 隆史
1
T. Hisatome
1
1板橋中央総合病院整形外科
1Dept. of Orthop. Surg., Itabashi Chuo Medical Center, Tokyo
キーワード:
femoral offset
,
global offset
,
acetabular offset
,
THA
Keyword:
femoral offset
,
global offset
,
acetabular offset
,
THA
pp.201-206
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei71_201
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は じ め に
人工股関節全置換術(THA)において,適切な股関節オフセットを獲得することが,可動域(ROM)とインピンジメントの観点から重要である.股関節オフセットは大腿骨オフセットと寛骨臼オフセットとに分けられ,あわせてグローバルオフセットと称される1).一般的には二次元画像であるX線像による内外側方向のオフセットが計測され評価されることが多い2).
本邦に多い発育性股関節形成不全(DDH)による二次性変形性股関節症では,カップの安定性と骨性被覆を獲得するために骨盤内壁まで掘り込んでカップを固定することがあるが,オフセット不足による骨性インピンジメントのリスクが懸念される.
当施設では仰臥位前外側アプローチ(ALS)でTHAを行っており,術中Cアームイメージ透視装置でカップ設置角の確認とステムの選択を行っている.すなわち,二次元画像で内外側方向のグローバルオフセットを確認して,スタンダードもしくはハイオフセットステムの決定を行う.しかし,股関節オフセットとは三次元的に評価すべきものであり,内外側方向に加えて前後方向のオフセットも重要であると考える.本研究では,片側罹患のTHA例において術中イメージで決定したステムオフセットで,対側の正常股関節オフセットを再現できているかを三次元的に計測し評価した.
© Nankodo Co., Ltd., 2020