Japanese
English
症例報告
理学療法と適切なフットウェア使用が有効であった多発性糖尿病性足潰瘍の1例
Effectiveness of physical therapy in a patient with multiple diabetic foot ulcers
平井 勝
1
,
大熊 克信
1
,
渡邉 亜紀
2
,
宮田 聡子
3
Masaru HIRAI
1
,
Katsunobu OKUMA
1
,
Aki WATANABE
2
,
Toshiko MIYATA
3
1さいたま市民医療センター診療技術部リハビリテーション科
2さいたま市民医療センター看護部
3さいたま市民医療センター皮膚科
キーワード:
糖尿病性足潰瘍
,
除圧サンダル
,
免荷歩行練習
Keyword:
糖尿病性足潰瘍
,
除圧サンダル
,
免荷歩行練習
pp.1103-1108
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202801
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要旨 糖尿病は,末梢閉塞性動脈疾患の危険因子の1つであり,動脈硬化や動脈閉塞を有する糖尿病患者では,皮膚潰瘍や壊疽から切断に至る症例も少なくない.今回筆者らは,右足の壊疽によりすでに右下腿を切断し,義足を装着している糖尿病患者に生じた難治性の潰瘍症例を経験した.本症例は,左第1,5趾,左踵の3か所に潰瘍を形成し,血管内手術に加えて,理学療法士による靴の選択や調整と右義足を健側として使用する歩行方法に改善を図ることで,歩行能力とQOLを維持したまま下肢救済ができた.理学療法士の役割は,運動療法に主眼が置かれる傾向にあるが,患者の病状に合ったフットウェアの選択は,社会生活をサポートする点で非常に重要である.当院では,理学療法士が外来診療に加わっている.そのメリットは,通常の診療では気づかれない患者個々の生活上の問題点を明確にし,それらを解決に導ける点であると考えている.
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