Close-up 神経筋疾患update—症例に学ぶ
神経筋疾患の呼吸へのアプローチ—侵襲的人工呼吸療法管理の筋萎縮性側索硬化症患者における側臥位でのmechanical insufflation-exsufflation 実施例
芝﨑 伸彦
1,2
Nobuhiko SHIBASAKI
1,2
1狭山神経内科病院リハビリテーション科
2大阪大学大学院医学系研究科
キーワード:
人工呼吸
,
筋萎縮性側索硬化症
,
ALS
,
呼吸
Keyword:
人工呼吸
,
筋萎縮性側索硬化症
,
ALS
,
呼吸
pp.1069-1074
発行日 2022年9月15日
Published Date 2022/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202792
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はじめに
神経筋疾患における呼吸障害は,胸郭の狭小化や呼吸筋の運動障害のために十分な吸気および呼気が行えないために起こる拘束性換気障害が原則である.呼吸筋の運動障害のために,自己排痰が困難になると容易に肺炎を併発する.肺炎を予防するために,理学療法士はさまざまな気道クリアランス手技を提供できる準備をする必要がある.
2017年に第228回European Neuromuscular Centre(ENMC)国際ワークショップがオランダで行われ,神経筋疾患における気道クリアランス技術について2本の論文をまとめている1,2).これらの論文では,機器による咳介助(mechanical insufflation-exsufflation:MI-E)を気道クリアランスの理想的な手技と結論づけ,推奨している1,2).本稿では,MI-Eの初期導入について,初心者から上級者まで議論ができる内容の臨床現場での実施例を紹介する.本論文が,それぞれの読者のMI-E導入の再考の契機となれば幸いである.
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