ひろば
童話から学ぶ倫理感覚
奈良 勲
1
Isao NARA
1
1広島大学
pp.483
発行日 2022年4月15日
Published Date 2022/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202650
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古今東西,人間の性善説・性悪説は宗教・哲学分野の命題の一つとして思惟され議論されてきた.しかし,現在に至る過程でその結論は得られていない.なぜなら,人間相互の利害関係は歴史的事実であり,なかなか是正されることはないからである.
世界各地には童話(昔話)と称する作品群がある.保護者をはじめ,保育士,幼稚園教諭が,一部の話しことばが獲得される1歳前後から就学する6歳頃までの幼少期・幼児期(児童福祉法や母子保健法では,幼児とは1歳から小学校就学の始期に達するまでの者)に童話を読み聞かせる場面を設けている.幼少期は人格形成の基盤となる大切な時期でもあり,上記の関係者のほかに祖父母などのすべての大人の果たす役割はきわめて大きいといえる.
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